2026.05.29更新 サプライチェーン・マネジメント
- サステナブル調達方針
- サプライヤー評価
- 取り組み・実績
- CEの取り組み
サステナブル調達方針
クラレグループは、多様な社会との接点において遵守すべき事項を【私たちの誓約】として、またこれを企業活動の中で具体的に実践するためのガイドラインを「行動規範」として定め、よき企業市民としての責任を果たすことを基本姿勢としています。
その一環として、クラレグループでは、企業・人・地球の持続可能性の鍵となる国際的な普遍的原則である「国連グローバル・コンパクトの10原則」に基づき、2005年に「CSR調達方針」を策定しました。
そして2025年に、サプライチェーン全体を通した人権尊重、環境保全、コンプライアンス重視、ダイバーシティ促進等のサステナブル調達を一層推進するため、「CSR調達方針」を「サステナブル調達方針」として改定し、同時に当社のグローバル調達ポリシーと位置付けています。
グローバル視点でのサプライチェーン全体に対して求められる責任を果たすためには、取引先との協働が不可欠です。当社のみならず、取引先の皆さまともこれらの取り組みを共有し、サプライチェーン全体を通してサステナブル調達を推進することを、当社の購買取引の基本とします。
サステナブル調達方針
1. コーポレート・ガバナンス
企業の社会的責任を自覚し、事業を通じて、人・社会・地球環境の調和を図り、よりよい関係の構築・維持に努めます。いつ、いかなる局面にあっても、法令や規則を遵守し、常に公正かつ誠実に企業活動を行います。
- サステナビリティ推進体制の構築
- 事業継続計画(BCP)体制の構築、安定した供給の確保への取り組み
- 内部通達制度の構築
- ステークホルダーへの情報発信・説明責任
- コンプライアンスの徹底
2. 人権の尊重
事業活動に関わる全ての人の人権を擁護し、一人ひとりの尊厳と価値を尊重します。
- 人権・人格の尊重と差別の禁止、人権デュー・ディリジェンスへの取り組み
- 人権侵害の加担回避
- 強制労働・児童労働の禁止
- 結社の自由
- ダイバーシティへの取り組み
3. 安全で働きやすい職場環境
労働安全衛生関連法令を遵守し、事業活動に関わる全ての人にとって安全で働きやすい職場環境の維持向上に努めます。また、社員の多様性を尊重し、性別、国籍、人種などを理由とした差別をすることなく、公正に処遇します。
- 労働安全衛生についての適切な管理
- 従業員の健康管理
- 適切な賃金の支払い
- 適切な労働時間の管理
- 雇用・評価・配置等における平等な機会提供
- ハラスメントの防止
4. 環境保全の推進
環境と調和した事業活動を通じて、環境負荷やリスクの低減及び生態系を含む環境保全に努めます。社会の持続的な発展に貢献し、次世代への責任を果たしていきます。
- 環境に関する法規制の遵守、環境保全への取り組み(ISO14001等)
- 化学物質の適正な管理
- 環境負荷低減
- 資源の有効利用(エネルギー、水、原材料等)
- 廃棄物の適切な管理および削減
- 生物多様性への取り組み
5. 公正な企業活動
公正・誠実に企業活動を行い、賄賂を含むあらゆる形態の不正に関与せず、市場での健全な競争を通じて、自由、公正、透明な取引を実施します。
- 独占禁止法/競争法の遵守、下請法の遵守(優越的地位の濫用禁止)
- 不正競争の禁止
- 贈収賄の防止
- 反社会的勢力との関係拒絶
- 知的財産の保護、第三者の知的財産の無断使用防止
- インサイダー取引の禁止
- 利益相反行為の禁止
- 適切な輸出入管理
6. 商品・サービスの安全性と品質
安全で信頼でき、高い品質の商品・サービスの供給を通じて、社会に貢献することを目指します。
- 安全性・品質に関する取り組み(ISO9001等)
- 不具合発生時の適切な対応(情報開示、顧客への通知)
7. 機密情報の適切な管理
トレードシークレット、ノウハウ、顧客情報等の機密情報は、会社の重要な資産であることを認識し、適切に使用・管理します。また、第三者により開示を受けた機密情報も尊重し、同様に管理します。
- 情報セキュリティの徹底
- コンピューター・ネットワークへの攻撃に対する防御
- 個人情報の保護
- 機密情報の不正利用防止
8. サプライチェーン
サプライチェーン全体を通じて社会的責任を果たすべく、取引先に対しても持続可能な調達の意義を周知し、その浸透に努めます。
- サプライチェーンにおけるサステナビリティの推進
- 戦争や犯罪への関与のない原材料の使用(紛争鉱物)
9. 社会貢献の推進
企業市民としての役割を自覚し、社会との積極的な交流や社会への貢献活動を行います。
- 持続可能な発展に向けた地域・社会との取り組み
サプライヤー評価
① サステナブル調達アンケート
クラレグループは、「サプライチェーン・マネジメントの向上」をマテリアリティの一つとして位置付け、サプライチェーンにおける「サステナブル調達方針」の遵守および履行の徹底を目指しています。その取り組みを確実なものとするため、取引先に対して「サステナブル調達アンケート」を行い、取引先での取り組み状況を確認しています。具体的には、取引先への「サステナブル調達方針の浸透」→「サステナブル調達アンケート実施」→「アンケート結果の解析・評価」→「フィードバック、(必要に応じ)改善支援」のサイクルを運用することで、定期的なモニタリングを行い、リスクを低減し、持続可能な調達の実現を目指しています。また、この活動の中で、特に積極的な改善支援が必要と判断した取引先に対しては、コミュニケーションを取りながら教育・改善指導を行います。さらに、取引先における活動や改善状況をもとに、取引先への監査の必要性や頻度を見極めることにしています。
本アンケートは、クラレグループの「行動規範」および国連グローバル・コンパクトの10原則を反映し、人権の尊重、性別・国籍などを含む差別の禁止、児童労働の禁止、水問題、地球温暖化対策、環境汚染対策、賄賂、汚職などの防止など公正な企業活動、品質の確保、情報セキュリティ、サプライチェーンへの配慮、地域社会との共生等、9分野51項目から構成しています。
サステナブル調達アンケート
サステナブル調達方針項目
アンケート項目
1. コーポレート・ガバナンス
- サステナビリティ推進体制の構築
- サステナビリティアセスメント
- 事業継続計画(BCP)体制の構築
- 内部通報制度の構築
- 外部への情報発信・説明責任
2. 人権の尊重
- 人権に対する基本方針
- 人権の尊重と差別の禁止
- 強制労働の禁止
- 児童労働の禁止
- 結社の自由
- 女性幹部の比率
- 従業員の研修
- 従業員との対話
3. 安全で働きやすい職場環境
- 人材育成の機会
- 適正な賃金の支払い
- 労働時間、休暇の公正な適用
- ハラスメントの禁止
- 従業員の安全衛生管理
- 下請け業者の安全衛生管理
- 従業員の健康管理
4. 環境保全の推進
- 環境への取組み
- ISO14001等の認証取得
- 化学物質の管理
- 危険物の輸送
- 排水、汚泥、排気の管理
- 資源(エネルギー、水、原材料等)の持続可能で効率的な利用
- GHG(温室効果ガス)の排出量削減
- NOx、SOx、VOCの排出量の公表
- 廃棄物の責任ある廃棄
5. 公正な企業活動
- 独占禁止法/競争法の遵守
- 不正競争の禁止
- 現地行政や公務員との適切な関係の維持
- 顧客や取引先等との不適切な利益の授受の防止
- 反社会的勢力、団体との関係排除
- 知的財産の無断使用、著作権の違法複製禁止
- インサイダー取引の禁止
- 利益相反行為の禁止
- 罰金、訴訟
- 輸出入貿易管理
6. 商品・サービスの安全性と品質
- 品質・安全性に対する方針
- 品質・安全性の確保
- 事故、不良品流通時の適切な対応
7. 機密情報の適切な管理
- 情報セキュリティの徹底
- コンピュータ・ネットワークへの攻撃に対する防御
- 個人データおよびプライバシー保護
- 機密情報の不正利用防止
8. サプライチェーン
- サプライチェーンにおけるサステナビリティの推進
- 紛争鉱物
9. 社会貢献の推進
- 負の影響を減らす取り組み
- 持続可能な発展に向けた地域社会との取り組み
- 社会貢献の推進
取引先は各項目について、体制の有無や是正・確認の有無の状況を選択肢で回答します。クラレグループでは、これらの回答に基づき、アンケート項目ごとに3点から0点(「体制があり継続的に確認している」から「体制が無く、導入の意向もない」まで)の4段階で点数付けを行い、その得点率によって取引先を評価します。
評価基準
| 評価 | 得点率 |
|---|---|
| A | 80%以上 |
| B | 66%~80% |
| C | 50%~66% |
| D | 50%未満 |
② その他の調査
この他にも業種別での評価を一部実施しており、例えば国内の外部営業倉庫会社を対象に、新規選定と継続的評価の基準となる項目をまとめた「倉庫会社適格性評価リスト」を作成し、同リストに基づき、立地や設備、倉庫作業環境、社内教育の実施状況等について新規採用時および起用後に定期監査を行い、結果が合格基準に達しない場合は改善指導を行うなどの取り組みも進めています。
サステナブル調達アンケート実施結果
| 対象期間 | 対象範囲 | アンケート依頼社数 | 回答率 |
|---|---|---|---|
| 2023-2024年 | 日本 | 335社 | 98.8% |
| 海外 | 308社 | 88.0%※1 | |
| 2025年 | グローバル (日本国内外含む) | 656社 | 94.7%※2 |
※1
2024年末時点。取引先にて作成の情報開示レポートを本アンケート回答の代用とした取引先を含む
※2
2025年末現在。本アンケートの回答に代えて、EcoVadisスコアや取引先が作成した企業レポートを用いた取引先も含む
日本国内では2020年に購買・物流本部が所管する主要取引先(総購買金額の80%(原材料等については購買額の90%)をカバーする取引先)に対してアンケートを開始し、2022年は国内各事業部・関連会社で購買する取引先335社に対しサステナブル調達アンケート調査を実施しました。また、2023年には海外拠点における取引先308社に対して、同様にCSR調達方針(現サステナブル調達方針)の浸透とサステナブル調達アンケート調査を開始し上記の回答率を得ました。2024年は、2023年に実施した海外グループ会社の取引先に対する調査を踏まえ、取引先への結果のフィードバックと対話により遵守状況の改善を進めました。また、これまで個別に進めていた国内と海外の取り組みを統合し、「PASSION 2026」の目標に掲げたグループ全体の購買額の80%(原材料・副資材については購買額の90%)をカバーする取引先へのアンケート実施体制等の準備を進めました。
2025年は、グローバルサステナブル調達プログラムを確立し、取引先とのフィードバックや対話を通じたコンプライアンス改善の推進を含め、日本国内および海外の取引先を対象に、1つのグローバルプログラムとしてサプライヤー評価を実施しました。
取引先からの回答に対して上表の評価基準に基づいて評価を行い、全社に対してフィードバックを実施しています。特に、D評価の取引先および当社が取り組み状況の確認が必要と判断した取引先に対しては、Web面談や書面での追加質問等を行い、状況について確認するとともに、サステナブル調達プログラムの趣旨や重要性について共有しています。確認の結果、取り組みが不十分だと判断した取引先には改善に取り組んでいただくよう要請し、いずれの取引先からも前向きな回答を得ています。
今後の対応
2026年もグローバルサステナブル調達プログラムの運用を継続し、新規取引先へのアンケート調査を拡大していきます。
サーキュラーエコノミーの取り組み
【原料】
クラレグループは化石由来原料の製品を展開する企業として、サーキュラーエコノミー(循環型経済)への移行を課題とし、取り組んでいます。サーキュラーエコノミーでは、資源の循環を効率よく行うために、トレーサビリティが必要となります。その中でクラレグループでは国際認証であるISCC PLUS認証※取得を進めています。ISCC PLUS認証を取得することで、廃棄物・残留物を原料とするリサイクル素材やバイオマス原料などのサプライチェーン全体にわたるトレーサビリティを第三者認証で担保できるため、サーキュラーエコノミーに大きく貢献します。特にビニルアセテートカンパニーにおいては、グローバルチェーン全体としてISCC PLUS認証の取得を進め、トレーサビリティの取れたサプライチェーンを構築しています。
※
ISCC PLUS認証:ISCC(International Sustainability and Carbon Certification:国際持続可能性カーボン認証)は持続可能性および炭素に関する国際認証であり、その中でISCC PLUSはEU域外を含む全世界に販売されるバイオベースや再生由来などの原料や製品についてサプライチェーン上で管理・担保する制度。
【リサイクル】
EVOH樹脂〈エバール®〉が米国のプラスチックリサイクル団体The Association of Plastic Recyclersが定めるリサイクル適合性「APR Design® for Recyclability※」の認定を取得しました。今回の認定取得により、〈エバール®〉は北米市場におけるリサイクル適合性基準に沿った包装設計や材料選定において、サーキュラーエコノミーに資する有効な材料であることが示されました。
※
APR Design® for Recyclability:包装材料に用いられる樹脂や添加剤、構成材料などが、現行のプラスチックリサイクル工程に適合しているかを評価する技術審査であり、なかでもCritical Guidanceは、リサイクルに影響を及ぼす幅広い要素を網羅した、最も厳格な評価基準。
【リユース】
当社はランドセルに使用される〈クラリーノ®〉を生産しています。使用後のランドセルを回収・検品し、アフガニスタンの子どもたちに贈る「ランドセルは海を越えて」という国際社会貢献活動を通じたランドセルのリユースにより、製品の有効活用に努めています。
他にも活性炭事業では顧客が使用した新炭および再生炭を回収・再生し、新炭と同等の性能をもった再生炭を製造することで、資源活用だけでなく製造時に発生する副生CO2の削減にも貢献しています。
クラレグループでは、サーキュラーエコノミーへの移行に対応できる製品の開発を推進し、認証や認定の取得することでサプライチェーン全体での管理や循環性の可視化を通じて、顧客や取引先との円滑なコミュニケーションや、新たな市場機会の創出にも寄与します。
ISCC PLUS認証取得製品およびサイト【2026年5月末現在】
ビニルアセテート
| 認証取得サイト | 対象製品 | スコープ | 取得年月 |
|---|---|---|---|
| クラレアメリカ (米国テキサス州) |
| 生産工場 | 2025年12月 |
| 岡山事業所 (岡山県岡山市) |
| 生産工場 | 2025年8月 |
| 倉敷事業所 (岡山県倉敷市) |
| 生産工場 | 2025年8月 |
| 西条事業所 (愛媛県西条市) |
| 生産工場 | 2025年8月 |
| クラレアメリカ ベイポート工場 (米国テキサス州) |
| 生産工場 | 2025年1月 |
| クラレヨーロッパ フランクフルト工場 (ドイツ フランクフルト) |
| 生産工場 | 2024年10月 |
| モノソル ラ・ポルテ工場 (米国インディアナ州) |
| 生産工場 | 2024年7月 |
| クラレヨーロッパ (ドイツ フランクフルト) | トレーダー | 2024年1月 | |
| クラレアメリカ ラ・ポルテ工場 (米国テキサス州) |
| 生産工場 | 2023年11月 |
| エバールヨーロッパ (ベルギー アンドワープ) |
| 生産工場 | 2022年5月 |
イソプレン
| 認証取得サイト | 対象製品 | スコープ | 取得年月 |
|---|---|---|---|
| 鹿島事業所 (茨城県神栖市) |
| 生産工場 | 2026年2月 |
| 鹿島事業所 (茨城県神栖市) |
| 生産工場 | 2025年2月 |
その他
クラレプラスチックス株式会社
| 認証取得サイト | 対象製品 | スコープ | 取得年月 |
|---|---|---|---|
| 伊吹工場 (岐阜県不破郡) |
| 生産工場 | 2024年4月 |
クラレトレーディング株式会社
| 認証取得サイト | 対象製品 | スコープ | 取得年月 |
|---|---|---|---|
| 東京本社 (東京都千代田区) |
| トレーダー | 2025年10月 |