2026.05.29更新 コーポレート・ガバナンス
- 基本的な考え方
- 体制
- 取締役・監査役・社外役員
- 役員報酬・政策保有株式
コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方
当社は、経営の効率性と公正性を確保する効果的なコーポレート・ガバナンス体制の構築により、多様なステークホルダーとの適切な関係を維持し、社会に対する責任を果たすことが、長期的・持続的な企業価値向上に資するものと考えます。
当社は「監査役会設置会社」の統治形態を採用しており、この枠組みの中で経営の効率性を確保しつつ監督・監視機能の実効性を高めるため、取締役会・監査役会を中心とした経営統治機能の整備を進め、経営者の報酬・後継者の選定・内部統制・リスク管理などの諸課題に対処しています。
この機能整備により、経営の効率性を確保しつつ監督・監視機能の実効性を高め、当社の長期的・持続的な企業価値向上に資することができると考えています。
コーポレート・ガバナンス強化の変遷
2003年
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2008年
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取締役会
取締役会(月1回以上開催)は、取締役会規則を定めて法定事項を含む経営上の重要事項を審議決定するとともに、業務執行の監督にあたります。取締役会の議長は、取締役会長がこれにあたり、機動的な経営の意思決定を図るため、取締役の定員は12名以内と定め、株主に対する責任を明確化するためその任期を1年としています。現在の取締役会は11名の取締役で構成され、うち2名が女性、1名が外国人となります。4名は社外取締役であり、経済・金融・経営などに豊富な経験と幅広い見識を有し、独立した第三者の立場から経営の監督機能を担っています。
取締役会の概要と運営状況
議長:取締役会長 伊藤 正明
開催回数:15回 出席率:99.4%
【2025年度の主な付議・報告事項】
- 経営計画
- 政策保有株式の保有意義検証
- 内部統制システムの運用状況
- 取締役会の実効性評価
- 米国スタートアップの買収
- ノンコア事業の譲渡、不採算事業の縮小・撤退
- バーチャルPPA(電力購入契約) など
取締役会の実効性評価
当社は、取締役会の実効性向上のため、毎事業年度、取締役会の実効性に関する評価・検証を行っています。2025年度は、外部機関の助言を得て全ての取締役・監査役を対象にアンケートを実施し、その集計結果の報告を踏まえ、取締役会において分析・評価を行いました。アンケートの回答からは、活発な議論が行われている、各取締役それぞれの専門性が強化され実効性が向上しているなど、おおむね肯定的な評価が得られており、取締役会の実効性は確保されていることを確認しました。一方で、さらなる実効性向上に向けた課題も認識されており、当社ではこれらを次年度以降の取り組みに反映しています。
質問票質問事項〈全40問〉
・ 取締役会の構成
・ 取締役会の運営
・ 取締役会の議論
・ 取締役・監査役に対する支援体制 など
主なコメント
- 将来的には、社内取締役に女性が1名以上参画する体制が望まれる。能力と意欲を備えた人材の発掘・育成が不可欠である。
- 外国籍の取締役を増員し、海外事業のガバナンス体制の一層の強化を図るべき。
- 取締役会には自由に議論できる雰囲気があり、今後もこの環境を大切にしつつ、中長期的な課題や戦略に関する議論をさらに深めていくことが重要である。
- 最近の国際情勢を勘案すると、外部環境の変動を前提とした耐性確保およびリスク対応を念頭に置いた審議の重要性は一段と増している。
- テーマによっては分科会を開催し、より議論を尽くすべきと考える。
- 議題の事前説明や国内外現場視察、内部監査部門との定期的な対話等、取締役・監査役に対する支援体制は整備されている。
- 経営トップ後継者計画の議論については、今後、プロセス面・実質面の双方において一層の定着と充実を図ることが重要となる。
監査役会
監査役は5名とし、うち3名は独立した社外監査役であり、男性4名・女性1名の構成としています。監査役会は原則として月1回開催します。監査役は、会計監査人と定期的に会合を持ち、監査計画・実施状況・監査内容の報告を受けるとともに、内部監査部門である経営監査本部からは内部監査結果の報告を受けています。また、主要な子会社の監査役を兼任し、適宜子会社監査を実施するとともに、グループ各社の監査役で構成し定期的に開催されるグループ監査役連絡会に出席し、各社の情報を把握しています。監査役の職務を補助するスタッフとして、監査役スタッフを置いています。
監査役会の概要と運営状況
議長:常勤監査役 早瀬 博章
開催回数:13回 出席率:100%
【2025年度の主な検討事項】
- 法令遵守・コンプライアンス体制・品質保証体制
- グループ各社の内部統制システムの整備と運用状況
- 重大事故、疫病・自然災害、情報漏洩等の経営リスク対応策等
- 次世代を担う人材の確保と育成、優秀者のリテンションや技術継承、社員のエンゲージメント向上 など
経営諮問委員会
当社は、取締役の指名・報酬などの経営の重要事項に関する意思決定の透明性・公正性・客観性を高め、コーポレート・ガバナンスの一層の強化を図るため、取締役会の諮問機関として、社外役員および社外有識者により構成される経営諮問委員会を設置しています。経営諮問委員会は原則として年2回開催します。
現在の委員の構成は、社外取締役4名(村田啓子、田中聡、三上直子、三箇山俊文)、社外監査役1名(谷津朋美)、社外有識者2名(江上剛(戸籍上の氏名は小畠晴喜)、浜野潤)の計7名です。委員長は社外取締役が務めます。
経営諮問委員会の概要と運営状況
委員長:社外取締役 田中 聡
開催回数:2回 出席率:92.9%
【2025年度の主な審議・報告事項】
- 役員報酬
- 役員人事
- 経営トップ後継者の育成計画 など
リスク・コンプライアンス委員会
経営に重大な影響を及ぼすリスクの適切な管理、法令遵守・企業倫理の徹底、公正な企業活動の実践を目的とする社長直轄の委員会です。本委員会は定期的にグループ各社のリスクをモニタリングした上で、重大リスクを抽出し社長に提案、社長は対策が必要なものを経営リスクとして特定し、リスクごとに統括責任者を指名してリスク回避・低減策を実施します。また本委員会は、取締役会に一連の活動を報告し、その指示をリスク対策に反映します。
サステナビリティ委員会
当社グループは、2022年にCSR委員会に代えて、社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置しました。本委員会は経営レベルで当社グループにおけるサステナビリティ関連課題およびその対応方針について審議し迅速な意思決定をするとともに、各種施策の進捗状況をモニタリングしています。また本委員会にて重要と判断された事項については取締役会に付議または報告し、取締役会の意見をサステナビリティ課題への取り組みに反映しています。
2025年度の主な議題テーマ
・米国におけるバーチャルPPA(電力購入契約)
・排出量取引制度(GX-ETS)
・CCUS※1プロジェクトの進捗
・ クラレPSA※2システムを用いた環境貢献製品評価の高度化
・ グローバルでのサステナブル調達アンケートの実施 など
※1
CCUS:Carbon Dioxide Capture, Utilization and Storage
※2
PSA:Portfolio Sustainability Assessment
取締役・監査役候補指名の方針と手続き
取締役は、当社の取締役として必要な経験、知識、能力を有する者を社外役員が出席する取締役会において候補者として指名し、株主総会の 決議により選任されます。ただし、社外取締役候補者は、別に定める独立性の基準を満たす者とします。
監査役は、当社の監査役として必要な経験、知識、能力を有する者を社外役員が出席する取締役会において候補者として指名し、監査役会の同意を得た上で、株主総会の決議により選任されます。ただし、社外監査役候補者は、別に定める独立性の基準を満たす者とします。
取締役の選任および解任ならびに代表取締役・役付取締役の選定および解職については、経営諮問委員会に諮った上で、取締役会で決 定します。
スキル・マトリックス
当社は、樹脂、化学品、活性炭、繊維など、多岐にわたる事業をグローバルで展開しています。このような事業特性に鑑み、適切かつ機動的な意思決定と執行の監督を行うためには、さまざまな分野の専門性やビジネス経験、ジェンダー、国際性を含む多様性が必要であると考えています。
これを確保するため、当社では、取締役および監査役に特に期待される知見、経験、専門性などとして、「企業経営」、「グローバル」、「営業・マーケティング」、「生産・設備技術」、「研究開発」、「法務・リスクマネジメント」、「財務・会計」、「環境・社会」、「人事労務」の9つを設定しています。
※ 各取締役・監査役の有する知見や経験を最大4つ記載しています。上記一覧表は、各取締役・監査役の有する全ての知見や経験を表すものではありません。
経営トップのサクセッションプラン
当社は、経営の継続性と中長期的な企業価値向上を目的として、将来の経営を担う後継者計画について、取締役会および経営諮問委員会で継続的に議論しています。経営トップに求められる経験やスキルを明確化した上で、後継者候補をリスト化し、望ましい経営体制のあり方を多面的に検討しています。
育成面では、後継者候補になり得る人材に対して研修を実施するほか、部門長以上の重要ポストへの配置・任用を通じて実務経験を積ませ、その成長と適性を評価しています。また、社外役員が候補者の資質や能力を把握できるよう、意見交換会などを通じた相互理解を深める機会も設けています。
さらに、経営陣幹部には、その役割と責務の遂行に必要なトレーニングを定期的に提供しています。社外取締役に対しては、当社グループの経営状況や事業概況に関する情報提供を行うとともに、国内外の事業所視察や従業員との意見交換会など、当社グループへの理解を深めるための取り組みを実施しています。
社外役員の独立性基準
当社は、以下の各号のいずれにも該当しない場合に、当該社外役員および社外役員候補者は当社に対し十分な独立性を有するものと判断します。
- 当社および当社の子会社(以下、併せて「当社グループ」といいます。)の業務執行者
- 当社グループを主要な取引先とする者又はその業務執行者
- 当社グループの主要な取引先又はその業務執行者
- 当社グループの主要な借入先又はその業務執行者
- 当社グループから多額の寄附を受けている者又はその業務執行者
- 当社の大株主(総議決権の10%以上の議決権を直接又は間接に保有している者)又はその業務執行者
- 当社グループが大口出資者(総議決権の10%以上の議決権を直接又は間接に保有している者)となっている者の業務執行者
- 当社グループから役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、公認会計士等の会計専門家、弁護士等の法律専門家 (当該財産を得ている者が法人、組合等の団体である場合には、当該団体に所属する者をいう。)
- 当社の法定監査を行う監査法人に所属する者
- 過去10年間において、上記1.に該当していた者
- 過去3年間において、上記 2. ~ 9. のいずれかに該当していた者
- 当社グループと社外役員の相互就任の関係にある者
- 上記 1. ~ 11. に掲げる者の近親者
上記の各号のいずれかに該当する者であっても、当該人物の人格、見識等に照らし、独立性を有する社外役員としてふさわしいと考える者につ いては、当社は、当該人物がふさわしいと考える理由を、対外的に説明することを条件に、当該人物を、独立性を有する社外役員とすることができ るものとします。
社外役員の選任理由
氏名 | 独立役員 | 選任理由 | |
|---|---|---|---|
| 社外取締役 | 村田 啓子 | ○ | 内閣府において経済行政や日本および海外分析に携わった経験と大学および大学院の教授としての高い見識をもとに、当社の経営および企業価値向上に資する有用な意見・提言をいただくことが期待できるため、社外取締役として選任しています。 |
| 社外取締役 | 田中 聡 | ○ | 三井物産株式会社のコーポレートスタッフ部門担当役員や代表取締役を歴任されており、それにより培われた豊富な経験と幅広い見識を活かして、当社の経営に有用な意見・提言をいただくことが期待できるため、社外取締役として選任しています。 |
| 社外取締役 | 三上 直子 | ○ | 国内の企業経営および生産技術分野に携わった豊富な経験と幅広い見識を活かして、当社の経営に有用な意見・提言をいただくことが期待できるため、社外取締役として選任しています。 |
| 社外取締役 | 三箇山 俊文 | ○ | 長年にわたり企業経営、研究開発および海外事業推進に携わった豊富な経験と幅広い見識を活かして、当社の経営に有用な意見・提言をいただくことが期待できるため、社外取締役として選任しています。 |
| 社外監査役 | 谷津 朋美 | ○ | 公認会計士および弁護士としての幅広い見識と他の企業での社外役員としての豊富な経験を有していることから、社外監査役として選任しています。 |
| 社外監査役 |
小松 健次
| ○ | 国内外の多くの企業において経営に携わった実績があり、それにより培われた豊富な経験と幅広い見識を有していることから、社外監査役として選任しています。 |
| 社外監査役 | 藤井 信行 | ○ | 金融機関における豊富な経験と幅広い見識および他の企業での取締役としての実績を有していることから、社外監査役として選任しています。 |
社外役員のサポート体制
社外取締役・社外監査役に対し、定例および臨時の取締役会の議案を事前に配布し説明 を行うことで、情報の共有化を図っています。社外取締役については、総務部秘書グループ のスタッフがその活動を補佐しています。また、社外監査役を含む監査役の職務を補助するため監査役スタッフを置き、監査活動に必要な情報の収集・提供などのサポートを行って います。
役員報酬制度
基本方針
当社の取締役の報酬等は、長期的・持続的な企業業績および企業価値の向上を実現させるため、職責に相応しい有能な取締役の確保・定着も考慮した競争力のある報酬水準および報酬体系とすることを基本方針とし、①職責に応じた基本報酬としての定額報酬、②単年度の業績達成を目指すためのインセンティブとしての業績連動型報酬、および③適正な会社経営を通じた中長期的な企業価値の向上と株主との価値共有を図ることを目的とした株式報酬の3つの部分により構成します。ただし、社外取締役については独立した立場から経営の監督を行う役割を担うことから定額報酬のみとし、業績連動型報酬や株式報酬は設けません。
具体的な報酬水準と報酬体系については、専門性のある外部調査機関が行う東京証券取引所プライム市場上場企業などを対象にした役員報酬調査の結果と従業員最上位職の給与を参考にしつつ、社外役員と社外有識者により構成される経営諮問委員会が、適切な報酬水準・体系であるかを検証・審議した上で、その結果を取締役会に答申します。取締役会は、当該答申を十分に勘案し、報酬水準と報酬体系を決定するものとします。報酬の額などの詳細は、有価証券報告書「役員の報酬等」で開示しています。
報酬等の割合(年初目標到達時の場合)
報酬等の額の決定(インセンティブ)
| 業績連動型 報酬制度 | 取締役賞与金に代わるものとして2006年7月から業績連動型の報酬を導入し、当社の企業価値向上へのインセンティブを強化しました。また、業績向上による業績連動型報酬の増額などに対応するため、2012年6月22日開催の当社第131回定時株主総会において、取締役の金銭報酬額を年額450百万円以内から年額800百万円以内(うち社外取締役分は年額100百万円以内)に改定することが決議されました。なお、社外取締役には業績連動型報酬は支給していません。 (算定方法) |
|---|---|
| 譲渡制限付 株式報酬制度 | 2021年3月25日開催の当社第140回定時株主総会において、社内取締役および執行役員に当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、これらの対象者と株主との一層の価値共有を進めることを目的として、従前のストックオプション制度を廃止※1し、譲渡制限付株式報酬制度を導入することを決議しました。また、2025年3月27日開催の当社第144回定時株主総会において、当制度導入以降の株価推移、さらに2025年度から当制度へサステナビリティ関連指標を反映することに伴う対象取締役に支給する譲渡制限付株式の付与のために支給する金銭報酬総額の増額可能性などを踏まえ、当制度による取締役に対する譲渡制限付株式報酬の限度額を年額180百万円に改定することが決議されました。なお、付与する当社普通株式の数は年間60千株を上限としています。社外取締役には譲渡制限付株式報酬は支給していません。また、国内非居住者の取締役には、譲渡制限付株式報酬に代えて、株価連動型金銭報酬(ファントムストック報酬)を導入しています。 (算定方法) ※2 サステナビリティ関連指標は、環境貢献(GHG排出量の削減目標達成度)、労働安全衛生(労働災害度数率、保安事故件数の目標達成度)、ダイバーシティ(女性管理職比率の向上度)、エンゲージメント(エンゲージメントサーベイスコア・回答率の向上度)の5つを採用しています。 |
当社は、政策保有に関する方針および政策保有株式にかかる議決権行使基準を以下のように定めています。
- 当社は、安定的・長期的な事業運営の観点から、取引先等との関係の維持・強化を通じた企業価値の向上に資すると判断される場合、当該取 引先等の株式を保有することができます。
- 当社は、前項に基づき保有する株式(以下、「政策保有株式」といいます。)について、個別銘柄ごとに、保有に伴う便益・リスクおよび資本コスト 等を踏まえて経済合理性や保有意義を取締役会において定期的に検証するものとし、その結果、保有の妥当性が認められないと判断された銘柄 については適宜売却し、縮減を図るものとします。
- 当社は、政策保有株式にかかる議決権については、前2項に定める株式保有の趣旨に鑑みて、当該会社の経営状況および当社グループの事 業運営に対する影響を考慮のうえ、適切に議決権を行使します。特に、当該会社の業績の長期低迷や重大な不祥事が発生している場合、または 株主価値を毀損するおそれのある議案が提案された場合には、慎重に議決権を行使します。
政策保有株式の保有適否の検証内容
保有する株式(政策保有株式)につい ては、取締役会において定期的に保有の経済合理性・意義を検証しており、その妥当性が認められない場合には適宜売 却し、縮減を図っています。 2025年度においては、保有する上場政策保有株式のうち8銘柄の全株売却、 2銘柄の一部売却を実施し、2025年度末時点の純資産に対する政策保有株式の割合は1.7%になりました。
政策保有株式の保有状況