メインコンテンツにスキップ

トップステートメント

 クラレグループは2026年に創立100周年を迎えました。この100年は、決して同じ事業を守り続けてきただけの歴史ではありません。社会構造の変化、技術革新、国際情勢の激動に応じて、事業ポートフォリオと収益構造を変革し続けてきた歩みです。

 しかし、どれほど時代が変わろうとも、私たちには大切にしてきた軸があります。それが、私たちの使命「世のため人のため、他人(ひと)のやれないことをやる」です。真面目に、粘り強く、数十年単位で事業を育てる。一方で、新しい領域には躊躇なく踏み込む開拓者精神を持つ。この「持続」と「挑戦」の両立こそが、当社のDNAであると考えています。

代表取締役社長 川原 仁

サステナビリティは競争優位の源泉

 当社が目指す企業価値向上とは、「社会・環境価値」と事業利益を単に両立させることではなく、「社会・環境価値」そのものを、持続的な事業利益へと転換する構造を確立することにあります。
 その中核の一つを担うのが、当社製品ポートフォリオの持続可能性を客観的に評価するクラレPSAシステム※1の導入です。「社会・環境価値」を独自の指標で定量化し、事業ポートフォリオ戦略における重要な判断基準として位置づけました。さらに、ICP※2における社内炭素価格を1トンあたり1万円という水準に設定し、将来の環境リスクや創出価値を資本配分の意思決定に織り込んでいます。
 循環型ビジネスや低炭素素材については、規制対応にとどまらず、中長期での競争力に関わる重要な要素として捉えています。GHG削減においてはSBT※3認定取得に向けた2035年の削減目標も、将来の市場で選ばれ続けるための取り組みの一つとして、着実に進めていきます。
 また、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)が示す生物多様性保全の潮流についても、当社の技術的知見を生かし積極的に向き合っていきます。引き続き、次代の市場ルールづくりにおいて、化学企業として果たすべき役割を意識しながら取り組んでいきます。

不確実性を、次なる100年の「成長の糧」へ

 研鑽を重ねてきた高度な技術と素材力を生かして社会的課題の解決に挑み、長期的な利益創出につなげます。そこで得られる利益を、次の課題解決と未知の技術を切り拓くための原資とします。
 「利益創出」と「社会的課題の解決」が相互に高め合う正の循環が、当社における創業以来の企業価値創造の本質です。これからも、この循環を力強く回し続けていきます。
 世界は今、地政学リスクの顕在化に加え、環境に関する制度・規制の厳格化、生成AIの発展など、かつてないスピードで変化しています。こういった外部環境の変化をチャンスとして捉え、次の100年に向けたクラレグループの変革を進めていく。それが、社長としての私の決意です。
 歴史の転換点を乗り越える、次代に向けたクラレグループのさらなる挑戦に、ぜひご期待ください。株主・投資家をはじめとするステークホルダーの皆さまには、引き続きご支援賜りますようお願い申し上げます。

※1 

WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)が定めた客観性・透明性が高い製品ポートフォリオ評価手法であるPSA(Portfolio Sustainability Assessment)に準拠したシステム

※2 

Internal Carbon Pricingの略。社内で炭素価格を設定し、CO2排出量を費用換算することにより、排出量削減、省エネルギー推進に対する経済的インセンティブを創出し、低炭素投資の推進、気候変動への対応を促す仕組み

※3 

 Science Based Targetsの略。パリ協定が求める水準と整合した、企業が設定した温室効果ガス排出削減目標