製品のはてな?
MPD
MPDっていったい何?
MPDは身近なこんなところで活躍しています!
MPDってどんな製品なんですか?
MPDは「原料」とイメージしてもらう方がいいでしょう。ドロドロとした液状で、ウレタン樹脂の原料に使われています。例えば、プラスチックに色をつけたいとするでしょう?その時に、プラスチックにうまく色を載せる役割をするのがウレタン樹脂です。MPDはウレタン樹脂の柔らかさや接着性などの特長を付与する材料として活躍しています。
ウレタン樹脂の構造図
MPDはウレタン樹脂の原料だから、最終製品になった時にはすっかり目に見えなくなりますね。
ええ。でも、ウレタン樹脂の用途からMPDが身近なところに使われているのが分かりますよ。例えば、ジュースなどのペットボトル。周りのラベルに印字されているインクには、ウレタン樹脂が使われています。ほかにも、インスタント食品やレトルト食品、コーヒーフレッシュなどの包装材用インクにも使われています。また、人工皮革やOA機器の部品など、さまざまなウレタン樹脂の用途にMPDは使われています。
コーヒーフレッシュの容器に 印字するインク用MPD
MPDならではの良さってどんなところですか?
MPDを使用したポリオールは、一般のポリオールに比べて、耐水性・柔軟性・耐熱性・接着性などのバランスが良く、ウレタン樹脂の幅広い用途に適応できるのが特徴です。特に、常温でも液状なので、溶解の手間が省けるのもユーザーに受け入れられている点です。
独自のイソプレン製法がMPD誕生につながった
なぜ、これらの特徴を持たせられたんですか?
MPDの分子構造を見てください。真ん中に突き出た「手」にCH3が付いていますよね。これが柔軟性などの特徴をもたらす働きをしています。この「手」はイソプレンの基であるイソブチレンが持っているもので、MPDはイソブチレンから派生して生成しています。クラレでは、このほかにも、イソブチレンを原料にした様々な誘導体を開発しています。
MPDの分子構造
一般のイソプレン製法との違い
イソブチレンが持つ「手」を生かして作るわけですね。
ええ。このイソブチレンからの派生は、クラレが独特のイソプレン製法をしていることによります。石油にもともと含まれているイソプレンをそのまま取り出す一般的な抽出法に対して、クラレはイソブチレンを取り出し、反応させてイソプレンにする合成法をとっています。一見、手間のかかる製法と思われますが、イソブチレンを原料にして生成するノウハウがあったからこそ、その特徴を生かしたMPDなどの誘導体を開発することができました。
MPDは地球環境にも対応した製品で、液状で粘度が低いのでユーザーが使用する際に溶剤の量を少なくできるというメリットがあります。今後は、溶剤を使わず水だけで使用できる水系や無溶剤系、エラストマーなどの用途で拡大に注力していきます。