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製品のはてな?

〈ベクスター®〉

〈ベクスター®〉は、どうしてプリント回路基板に適しているの?

電子機器の中で活躍する〈ベクスター®〉

プリント回路板ってよく聞くんですけど、どんなものなんですか?

プリント回路板は、コンピューター、携帯電話、カーナビゲーション、DVD機器など、身の回りの幅広い電子機器に使われています。これらには、電気信号を通す複雑な回路パターンが形成され、電子部品が搭載されたプリント回路板が多数用いられています。

プリント回路板製造例。〈ベクスター®〉はこのような工程を経て、プリント回路板に使用されています。

水にも強い薄型軽量なフィルム

なるほど。ところで、〈ベクスター®〉ならではの特徴ってあるんですか?

もちろんあります。〈ベクスター®〉は(1)吸水率が低い、(2)吸湿寸法安定性が良い、(3)高周波領域での電気特性が良い、という回路基板材料の中でも優れた特性を持っているんです。つまり、精密部分に水が入っても水分を吸いにくく、かつ、湿度に対しても回路基板の大きさに変化が少ないのです。これらの特長は、回路製造工程制御の簡便化、でき上がった回路の信頼性につながるものです。さらに、次世代型の電子機器は、大容量・高速処理が可能な高周波領域向けの回路開発が進められています。〈ベクスター®〉は高周波帯での電気特性が優れていることから、電気信号のロスを最小限に抑えて、スピーディーに通すことができるんですよ。

なるほど。〈ベクスター®〉は次世代の電子機器に必要な性質を兼ね備えているんですね。

ええ。先に挙げた3点を兼ね備えた回路基板材料は従来にはないものです。これらの特徴をいかして〈ベクスター®〉は大きな成長性が期待できます。プリント配線板には、大きく分けて2種類あって、(1)回路基板が紙やガラス不織布で補強されて、硬く曲がらないリジット基板と、(2)曲げたり、たわめたりと可とう性のあるフレキシブル基板があります。携帯電話・デジタルカメラなどの複雑な配線を実現し、小型・軽量化のニーズにこたえるために、市場は(1)から(2)へとシフトしており、(2)はこの数年で、年率約10%の割合で大きく成長しています。〈ベクスター®〉は、折り曲げ可能なフィルムの特徴をいかして、(2)および(1)から(2)の分野をターゲットにしています。

優れた特性で次世代型の基板材料に

今後の展望は?

現在、(2)のフレキシブル基板には、ポリイミドフィルムが使われています。ポリイミドは耐熱性に優れた素材ながら、吸水率が高く、高周波領域での電気特性が良くないという欠点があります。
今後、電子機器の高性能化・小型化・軽量化とともに、プリント回路基板に求められる特性を考えると、〈ベクスター®〉はポリイミドにはない特徴を兼ね備えた、次世代型の高機能基板材料といえます。〈ベクスター®〉は、次世代型の高機能基板材料として今後有望であると考えています。

※〈ベクスター®〉はクラレの商標です