独自の芯鞘構造を持った新しいタイプの特殊複合糸<ウルトロン>を ロープ用途向けに開発・販売
<ウルトロン>使用ロープ
株式会社クラレは、今回独自の芯鞘構造を持った新しいタイプの特殊複合糸<ウルトロン>をロープ用途向けに開発、5月1日から販売を開始します。
この<ウルトロン>は、ポリエステル長繊維を芯糸に、グリーンカラーに着色したビニロン紡績糸を鞘糸にした独自の芯鞘構造を持った特殊複合糸であり、ポリエステル長繊維の持つ高強力・低伸度・寸法安定性とビニロン紡績糸の持つ手触り感・扱いやすさ・高耐候性をうまく掛け合わせ持つ素材です。また鞘糸のビニロン紡績糸は原着という手法で着色されており、通常の染色方法で染色した糸よりも洗濯や太陽光による色褪せを起こしにくく、かつ原着糸と接触する他のものへの色移りが少ない、などの特性を持ちます。
クラレは、これまでビニロン紡績糸を使用した<クレモナ>ロープ、ポリエステル混ビニロン紡績糸を使用した<クレモナS>ロープをロープ市場に出し、両タイプとも広く親しまれてきました。しかし、特に陸上で使用されるロープについては、市場のニーズとしてさらに高強力で低伸度の要求があるため、独自の蓄積された技術を駆使して、第3世代のロープとして今回の<ウルトロン>ロープの開発に繋げたものです。
具体的な使用例としては、(1)道路工事現場・建設工事現場・イベント会場などでの安全ロープ、(2)船舶・タワー・煙突など高所での作業時の命綱などが想定されます。
クラレは、<クレモナ>ロープ、<クレモナS>ロープ、そして今回の<ウルトロン>ロープとロープ市場での製品群を取り揃え、ロープ用途での積極的な開拓・展開を図って行きます。
製品概要
1. 特長
- (1) 芯糸は280dtx/48fのポリエステル長繊維で、鞘糸はビニロン紡績糸である。
- (2) <クレモナS>原糸に比べ高強力・低伸度であり、湿潤時の収縮性が少なく水に濡れて乾燥を繰り返しても固くなりにくい。
- (3) 鞘糸はグリーン原着糸を使用し、洗濯や太陽光による色褪せを起こしにくい。
- (4) 芯繊維と鞘繊維の組み合わせ次第で、様々な特性を引き出すことが可能である。
2. 性能
項目 | 呼称太さ(mm) | 強力(kN) | 伸度(%) |
---|---|---|---|
<ウルトロン>ロープ | 16 | 30.8 | 19.3 |
従来品 | 16 | 23.8 | 23.1 |
- ※ 物性値は保証値ではありません。
価格(消費税込み)
3000円 ~ 3500円/kg
販売目標
初年度 | 1億円 |
---|---|
3年後 | 3億円 |