新生クラレ倉敷事業所のスタートについて
当社は新事業創出を経営の最重要課題の一つに掲げ、研究開発体制の整備・強化を図るための一環として、2005年7月倉敷事業所の再編を決定しました。同年8月より当事業所をクラレ発祥の地・倉敷市酒津地区から同玉島地区へ移転するため移転・建設工事を進めてきましたが、本年3月末に無事移転を完了し新年度をスタートさせました。
これまでの当事業所は、開発・生産拠点の「倉敷事業所(酒津)」、研究開発拠点の「倉敷事業所(研究所)」、生産拠点の「倉敷事業所(新倉敷)」の3ヵ所で構成されていました。その内、(酒津)は建物・施設の老朽化が進み、抜本的な改修・建て替えが課題でした。また周辺の市街地化という立地条件も考慮した結果、(新倉敷)へ開発機能の大半を移転・統合することにし、「生産・技術開発センター」の完成に至ったわけです。また、(酒津)の生産設備及び間接部門も一部を除きこの(新倉敷)へ移転し、インフラの有効活用を図りながら効率的生産体制の構築を行います。(酒津)にはメディカル関連の生産設備が残り、(研究所)も(酒津)から開発機能の一部を移転し、それぞれ効率的な運営をしていきます。
「倉敷事業所(新倉敷)」内にて、本日開所する「生産・技術開発センター」は、開発用の最新設備を有するだけでなく、地球環境保護を意図した空調・照明・装置・動力など省エネ・新エネ対策としての最新技術も導入しています。
本日より、「倉敷事業所(新倉敷)」は「倉敷事業所」と呼称を変更し、新事業創出のための生産・開発拠点ならびに現行製品の生産拠点としてクラレグループの先端事業所にふさわしい機能・役割を担っていきます。
新生クラレ倉敷事業所の概要
倉敷事業所 | 倉敷事業所(酒津) | 倉敷事業所(研究所) | |
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住所 | 倉敷市玉島乙島7471 | 倉敷市酒津1621 | 倉敷市酒津2045-1 |
創業 | 1956年 | 1926年 | 1968年 |
事業所長 | 西口 克彦 | 同左 | 同左 |
業務内容 | 光学用ポバールフィルム、ポリエステル繊維、工業膜、メディカル製品、食品包装用フィルムなどの開発・生産 | メディカル製品の開発・生産 | 基礎研究 |
施設など | 生産・技術開発センター | クラレ本店事務所 | くらしき研究所 |
敷地面積(千m²) | 410 | 220 | 442 |
人員(07年5月現在) | 611 | 421 | 104 |
「倉敷事業所」〔旧「倉敷事業所」(新倉敷)〕の沿革
1956年 | レーヨン糸 生産開始(2001年生産停止) |
1964年 | ポリエステル短繊維 生産開始(2003年クラレ玉島(株)に分社) |
1998年 | サーマルリサイクル開始(廃プラスチック等をボイラー燃料に使用) |
2004年 | バイオマス発電開始(建築系解体木屑をボイラー燃料に使用) |
2005年 | 光学用ポバールフィルムの生産開始 |
2005年 | 倉敷事業所再編計画を発表 |
「生産・技術開発センター」の概要
1. 建設の目的
- (1) 分散化している研究開発機関の集約化による研究開発のシナジー効果を追求
- (2) 研究開発の安全基準統一による安全レベルの向上
- (3) 研究開発と生産部門との連携による事業展開のスピードアップ
- (4) 購買品(原料・試薬等)の一括管理による効率運用と在庫圧縮
- (5) 各種試験設備の共有化による重複設備の削減
2. 人員
170名
3. 施設内容
開発事務所、開発実験棟、開発加工棟、倉庫、ベンチ試験機エリアなど
4. 建屋面積
約9,600m²
5. 事業内容
繊維素材・ポバールフィルム・ポバール樹脂・<エバール>などの技術開発、技術開発センターなど
6. 付帯施設
- (省エネ対策)
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- (1) 水和物スラリ空調システムを導入した消費電力の低減
- (2) 屋根材・窓ガラスに熱反射効率の良い材料を使用した冷房の熱負荷の軽減
- (3) 高効率照明設備や人感センサー導入による照明での省エネ
- (新エネ対応)
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- (1) 太陽光発電設備を屋上に設置し消費電力を低減(新エネルギーの導入)
- ※ なお、当事業所は1987年循環流動層ボイラーを日本で初めて導入し、廃プラスチック減容固化品やバイオマスを燃料化して、CO2の排出削減・化石燃料の使用量削減に取り組んできました。
- (1) 太陽光発電設備を屋上に設置し消費電力を低減(新エネルギーの導入)