2005.12.26
仏のアプリックス社と自動車シート・内装材の取付け技術で提携(クラレファスニング株式会社)
ファスニング部材のワールドワイド供給体制構築
磁着式<モールドインファスナー>
当社は、このほどフランスに本社を持つアプリックス社と面ファスナーを利用した 自動車シートの表皮材固定技術である<モールドインファスナー>及びドアパネルの防音材や天井材内側のフラットケーブルなどの取付け技術に関する技術提携を行い、1月10日より自動車メーカー・自動車シートメーカーに向けて本格販売します。
今回の技術提携により、自動車内装材固定に関する技術開発のスピードアップと技術面での向上が図れることになります。また、両社が連携しファスニング部材を共通仕様化することにより、グローバル展開を進める自動車業界に対応しワールドワイドな供給体制を構築することが可能になり、生産コストの削減・納期短縮も期待できます。
今回の技術提携は、(1)ウレタン発泡金型への取り付け作業性を大幅に改良した磁着式<モールドインファスナー>技術(2)ドアパネル成形時にフック状係合素子を同時に成形し、防音材をワンタッチで取付ける技術(3)自動車天井材内側のフラットケーブル類を薄型面ファスナーで取付ける技術に関するものです。具体的には次の通りです。
- (1) 磁着式<モールドインファスナー>は曲線形状を自在に表現できる「磁着式曲線タイプ」と「磁着式直線タイプ」の2種類があります。いずれのタイプも、マグネットが配置されたレール状金型に置くだけで磁着力により容易にセットできます。この磁着性により従来のはめ込みタイプと比べ、金型へのセット時間を30%以上短縮することが出来ます。また、<モールドインファスナー>使用により従来のホグリング工法に比べ次のような特徴があります。
- 1) シート組立て作業の効率化によるコストダウン
- 2) パッドの薄肉化による軽量化及びコストダウン
- 3) シート組立て部材の軽量化
- (2) 防音材のドアパネルへの取付けは現在超音波や接着剤で行われています。当社では、作業環境改善及び取付け作業合理化の点から、ドアパネル成形時にフック状係合素子を同時に形成させ、その係合機能により不織布防音材をドアパネルに取付ける技術を提供いたします。
- (3) 天井材内側のフラットケーブル類は、現在ホットメルト接着剤や粘着テープによって取付けられていますが、ホットメルトガンの熱によるやけどや臭気の問題があります。今回提供する取付け技術は、天井材裏面にラミネートされた薄型ループ材にフックテープがラミネートされたフラットケーブルを随意の位置にワンタッチで取付けられる技術であり、天井材のトータルコストダウンと作業時間の短縮に繋がります。
ドアパネル<モールドインファスナー>
天井材<モールドインファスナー>
- * <モールドインファスナー>は(株)クラレの自動車用面ファスナーの登録商標です。
クラレファスニング株式会社の会社概要
1. 本社 | 大阪市北区梅田1-12-39(新阪急ビル9F) TEL:06-6348-2555 |
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2. 社長 | 高岡 光彦 |
3. 資本金 | 1億円 |
4. 従業員数 | 120名 |
5. 業務内容 | 織製面ファスナー<マジックテープ>、成形面ファスナー<マジロック>、その他面ファスナー関連商品の製造・開発・販売。 |
アプリックス社の概要
1. 本社所在地 | フランス(パリ) |
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2. 社長 | Mr. J-P Billarant |
3. 資本金 | 3.1億円 |
4. 従業員数 | 800名 |
5. 事業内容 | 面ファスナー材製造販売 |