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基本方針

新興国企業の参入により競争が激化し、スペシャリティケミカルのコモディティ化が進む化学業界において、高付加価値製品を創出する技術開発力は、グローバル競争力の維持・強化に不可欠な経営資源として重要性が増しています。研究開発本部は、3つのミッション「新事業の創出」「既存事業の強化・拡大」「基盤技術の構築・深耕」において、グループ全体の業容拡大と収益向上に資する取り組みを推進してきました。「PASSION 2026」における研究開発本部の基本戦略は、「新事業創出に向けた強化テーマへのリソース投入と開発」「カーボンニュートラル(CN)・サーキュラーエコノミー(CE)に資する開発」に加え、これらの基盤となる「デジタル関連施策・オープンイノベーション推進と人材育成」で構成されています。新事業創出に向けては、イノベーションネットワーキングセンターと密接に連携し、強化テーマのグローバルマーケティングや開発加速のための協働ワーク、新事業アイデア創出などを推進しています。重点領域のカーボンニュートラル・サーキュラーエコノミー(CN・CE)に対しては、バイオマス原料への転換や有機フッ素化合物(PFAS)代替技術の開発に注力しています。さらに、デジタル関連施策(ロボティクス、マテリアル・インフォマティクス(MI)、高度シミュレーション技術活用や独自AI開発)やオープンイノベーション推進により、研究開発を加速化します。これらを通じて、ユニークな技術による新素材の創生とともに、未来を支える新事業の創出を図ります。

図 クラレにおけるイノベーション創出の考え方 事業基盤 期待市場 技術 社内外連携をもとに新たな価値創出を目指す枠組み
「PASSION 2026」における基本戦略

研究開発体制

持続的に成長する「スペシャリティ化学企業」であることを目指し、研究開発・新事業開発の中核的存在として活動する研究開発本部では、研究開発テーマの企画・提案・推進を目的に、くらしき研究センター、つくば研究センターの2拠点を設置しています。また、基本戦略の一つである「デジタル関連施策・オープンイノベーション」の推進を目的に、2025年1月に新たにデジタルソリューション部と外部連携グループを設置しました。さらに、強化テーマであるライフサイエンス領域での新事業創出を加速すべく、その主導的役割を担うライフイノベーション推進グループを、2025年1月からライフイノベーション事業推進部へ改組し、グローバルマーケティング体制を拡充しました。加えて、同領域でのオープンイノベーション推進を目的に、東京女子医科大学・早稲田大学連携 先端生命医科学研究教育施設(TWIns)内に「東京ラボ」を設立、顧客ソリューションの充実や産学連携の加速化を図っています。

サステナビリティに貢献する開発

中長期的な競争力獲得に向けたサステナビリティ関連の新素材・新技術の創出、社会的課題解決に向けたGHG排出量低減技術・プロセスの創出に邁進しています。カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーは重要テーマであり、(1)原料転換、(2)環境負荷低減( 環境規制・機会への対応)、(3)リサイクル、(4)GHG排出量低減の4項目に着目し研究開発を進めています。 サステナビリティを機会として捉え、自然環境と生活環境の向上に寄与する素材を開発し、世の中にソリューションを提供します。

図 サステナビリティを推進する開発領域例 バイオマス 生分解 環境適合素材 GHG削減